私と深海魚と世界と

おいさんが思うこと、感じてきたこと、色々。

ばい菌は見える。

そう言いますよね、潔癖症の方って。

何を隠そう私にも見えていた。

 

引きこもり時代、家の外にある物全てがとてつもなく汚く思えていた。不特定多数の人が触れているだなんて恐ろしい&おぞましい。なんでみんな平気やねん、無理無理無理、無理すぎる。そこら辺のベンチや手すりやドアノブ全てにばい菌が見える。たまに外に出た時も帰ったらまず携帯を除菌シートで拭いて(壊れるよ。)物を買ったら本だろうがなんだろうがとりあえず拭いて。それから手を念入りに洗い、お風呂に入るまでは絶対自分の部屋には入らなかった。

除菌シートの消費量よ。

学校に通っていた時も、行きと帰りは電車で行ってたんですが、どんだけ揺れても手すりには絶対に触らなかった。ボタンも手の甲で押してた。帰ったら教科書を除菌シートで拭いていた。教科書、ようフヤフヤにならんかったな。今思えば手袋とか除菌シートとか持ち歩けば良かったなとも思うけど、それよりなにより変な風に目立って人に視線を向けられるのが嫌だったので、ティッシュを見えないように握りしめて何かあればすぐ拭えるようにスタンバイ。という注目を浴びないレベルに踏みとどまっていた。

 

家の中でも、肘や足を上手く使って物には直接触れないようにしていた。

もしも何かの拍子で物に触れてしまった時は、手術室へ向かう医者のように手をすっと上に上げ何も触らないように注意しながら洗面台に直行し手を洗っていた。手は洗いすぎて真っ赤で荒れてざらざらで血もうっすら滲むほどだった。そんな手だと洗う時に沁みるけど、どれだけ手が痛かろうが洗うことはやめられなかった。洗っても洗っても、汚く思えて仕方なかった。自分の部屋以外の床や椅子に直接座るのが嫌だった(家族が触れていたから)ので、新聞のチラシを常に携帯、座る時はそれを敷いて座っていた。

 

家族にも触れない、触られたくないと思ってしまっていた。

 

今も変わらず「汚い」と思っているし、何かに触れた時に衝動的に手を洗いたくなる時もあるけど(実際洗う時もある)、我慢は出来るようになった。そこまで気にしていられなくなったっていうのが理由として一番だと思うけど、前よりは格段に良くなった。除菌シートの消費量も落ち着いた。

 

だから、潔癖症の人の気持ちはすごい分かる。

エスカレートしていくよね。天井を知らないよね。

いやはや。他人事として聞けない感。